
Client Interview

Client Interview
やりたいことを
整理することから始まった店作り。
代表取締役 城島 薫さん
- [インタビュー・執筆]
- 藤村 志乃笑
- [撮影]
- 宮崎 慎也
え、公民館?
城島社長からデジマグラフさんへの依頼は、初めてではないそうですね。
- 羽 :
私が独立した当初からのお付き合いですね。パパス&ママスのDMやセールのポスターが城島社長との初めてのお仕事で、その後セレクトショップLONGTABLEのロゴ・ネーミングもご依頼いただいて。ブランディングという形で関わらせてもらうのは、KOMINKANが初めてでした。
- 城 :
長い付き合いですよ。いつも僕の頭にぼんやりとあるものをじっくり聞いてくれて、はっきりと形にして見せてくれる。それが時代に合っているかどうかの判断までしてくれます。僕の中では「困った時のデジマグラフ」という感じです。よくわかってくれているから、何かあったらすぐ相談したくなるんです。
今回の件は、どの段階でデジマグラフさんに相談されたんですか?
- 城 :
売りたいものだけははっきりしているけど、どんな店にしようかが全く未定という状態で相談しましたね。今どんなことを考えているか、新しい店へのぼんやりとした理想など、今回も支離滅裂な話を長時間聞いてもらいました。
- マ :
主人公は地元長崎の人たち。流行にとらわれずカッコつけすぎずに、世の中の本当にいいものをしっかり伝えたいという、社長の地域貢献と次世代に対するやさしくも熱い思いが印象的でした。
さらにショップの一部をギャラリーにという話に驚きました。美術館や画廊でもない、どんな人でも気軽に入れる複合商業施設にアートの空間ができるのは素晴らしいし面白いと感じました。そんな場が必要だと思ったし、できることは全力で応援したいなと思ったんです。
そんな思いを受けての初回提案はどのようなものだったんでしょう?
- マ :
ネーミングからの提案でした。地域の人が集まり、楽しみ、学びがあって、次世代へ伝える、というコンセプトはまさに、地域の公民館みたいだなと感じたんです。
別候補もありましたが「KOMINKAN」を強くおすすめしました。子どもから年配の方まで、年代問わずいろんな人が訪れる商業施設。誰でも怖がらずに入れるように、みんなが知っていて、口に出して気持ちいい言葉だなと思いました。- 城 :
正直、最初は「え?公民館?」と驚きましたね。でも確かに1回聞いたら忘れない。店名は「ほら、あそこの何て店だっけ?」となるより、シンプルで呼びやすく覚えやすいのが一番です。今までの仕事も見てきて完全に信頼しているし、ここはプロの提案に任せようと「KOMINKAN」に決めました。
- 羽 :
ネーミングが決まってからロゴを作りました。「次世代に渡したい」がこの店のキーワードということが見えてきて、バトンをモチーフにしたデザインを提案しました。カッコいいことより全世代に受け入れられるようなチャーミングさを意識しました。どんな人とでもナチュラルに垣根なく接する、城島社長の考えや人柄にも馴染むと思いました。
- マ :
その後、KOMINKANがどういった店なのかブレないように、城島社長の思いややりたいことを整理し言葉化する作業を優先して行いました。スタッフやお客さまにはもちろん、これからお付き合いする多くのメーカーや作り手、アーティストの方々に伝わるよう、4つのセレクトルールを定めています。
- 城 :
このセレクトルールが肝でしたね。僕の思いをきちんと整理してもらったことで、自分でも方針がはっきりと見えてきました。日々悩んだり迷ったり、思わず妥協したり「売り」に走ってしまいそうになるとき、必ずこのルールに立ち返るようにしています。店づくりの根幹ですね。ここから外れていないかが、KOMINKANの方針を決める上での判断基準になってくれるんです。
これまでの店舗にはない、ギャラリー併設のショップ。どんな思いが込められていますか?
- 城 :
店は経済活動だけでなく、文化を作る場でもありたいと考えています。KOMINKANの出店は、複合商業施設のワンフロア全面改装のタイミングでした。TSUTAYABOOKSTOREを中心にカフェや音楽教室が入り、このフロア全体が文化的フロアになると知り、「地域のカルチャーを応援したい、育てたい」という常々考えてきたものを形にするときではないかと思ったんです。
ギャラリーでの展示は県内在住・出身者、ゆかりのあるアーティストに限定し、約1ヶ月間の展示を行ってもらっています。- 羽 :
ここでの展示を経て知名度や信頼を獲得し、活躍の場を広げたアーティストも多いですよね。
最近では「ここに来れば何か展示をやっている」というのが、地域の人たちに定着しています。
しかも展示する側も観る人も無料というのがすごい。本気で応援しようという気持ちがないとできないことですよね。アートへの敷居を下げるという意味でも、大変意義のある活動をされていると感じます。- マ :
やはり多くの方に「観ていただく」「知っていただく」という機会は貴重です。そういった場がある街からは面白い人がどんどん出てくるのではないかと思います。
ギャラリー運営は、デジマグラフさんが継続的にサポートされているそうですね。
- 羽 :
アーティストのブッキングから諸々のやりとり、ショップスタッフさんと共有できる展示マニュアルの作成などを担当しています。今年はコロナの影響で、遠方のアーティストさんの場合は展示作業を代わりに行うこともありました。他にもプレスリリース資料やメーカー向けの書類作成、展示や商品のPOPなど幅広く関わらせてもらっています。
- 城 :
月替わりの展示、到底自分たちではできない配慮と細やかさでやってくれるので、本当に助かっています。
内部でやるとどうしても「売りたい」が全面に出てしまう社外向けの資料やPOPも、客観的視点で「伝わる」ものを仕上げてくれる。さすがプロの仕事です。コストはかかりますが、これからもぜひお願いしたいと思ってます。- 羽 :
うちのスタッフもKOMINKANの大ファン。仕事を通して多くの出会いがあり、間近でアートだけでなくスタッフさんたちの思いにも触れることができて、かけがえのない経験をさせてもらっています。




吟味して、納得して
買える店がつくりたかった。
- 城 :
正直、他よりやることも多いし大変な店舗です。ただ、これまでのやり方を変えたいという思いがKOMINKANの原点。長年アパレルをやってきたけれど、最近のサイクルの速さには考えるところがあって。それはお客さまも一緒じゃないかなと。本当にいいものを厳選して、作り手やメーカーの思いをしっかりお客さまに伝えて、衝動買いではなくじっくり考えて吟味して納得して買ってもらう。そんな流れを確立したいと思ったんです。KOMINKANではそんな買い方をしてもらえることが増えてきて、手応えを感じています。
ただ、いくらいいものでも高くて手が届かなかったら意味がない。常にアンテナを張っておいて、これはという商品を準備し、月ごとにご提案しています。と言っても奔走してくれているのはスタッフ。もう感謝しかありません。- マ :
1年12回の企画、売れる商品を探し続けて準備するって並大抵の努力じゃないですよね。しかもギャラリー展示とかけ離れすぎない親和性の高い商品を選ぶという配慮まで。店長はじめスタッフさんの熱意をすごく感じるお店です。
ギャラリー展示についてもスタッフさんが事前にアーティストさんについて勉強されていて、お客さまへの説明も完璧なんです。お店のファンづくりが上手だし、私たちはそばでお手伝いしながら、そんな姿勢をいつも学ばせてもらっています。- 羽 :
こないだ別件の打ち合わせの時に、偶然KOMINKANのファンの方と会いました。お母様と息子さん親子そろって、店長さんのファンだと。世代や趣味嗜好の異なるファンがいるってすごいですよね。ターゲットをしぼらない、オールターゲットに愛される店はブランディングも難しいのですが、KOMINKANはそれがうまくいっている。社長やスタッフさんの熱い思いと、地道な努力の賜物だなと感じます。


お店を通じて長崎を好きになって
もらえるように。
2020年は新型コロナウイルスの影響で、厳しい時期もあられたかと思います。
- 城 :
どんな業種でもそうだったように3~5月はかなり厳しかったですね。まだコロナの実態もよくわからず、いろんな施設が閉まっていた時期です。
ショップの営業やギャラリー展示も、休むかずいぶん悩んだのですが、結果続けることにしました。あらためて店の意義を考え、出した答えは、いつも通り店を開けるということ。それが街の光、安心感につながるんじゃないかなと。ただ、店を開けるとなるとスタッフの安全が守れないんじゃないか。葛藤の中で、手探りで最善を尽くしてきました。
その後、業績はおかげさまで右肩上がりです。大変だけれど信念を持って、手間ひまかけて店づくりすることの大切さを再確認しました。お店に愛着を持ってくださるお客さま、スタッフのおかげです。デジマグラフさんも味方になってくれるし、やってきたことに間違いはないと思います。
最後に、今後のビジョンをお聞かせください。
- 城 :
今後もKOMINKANを通じて、長崎のことを好きになってもらえるような仕事がしたいです。そして、KOMINKANのような店を九州各地に増やし、展示や月替わりの商品も巡回できる仕組みを作って、もっともっと多くの方にいい体験を届けられればと思っています。
- 羽・マ :
楽しみですね。これからも全力でお手伝いさせていただきたいと思います。
KOMINKAN Creative


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WINTER SALE 2013-2014

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PRE SALE WINTER DM 2011

LONG TABLE POSTER

WINTER SALE 2012-2013

SPRING SALE 2012

WINTER SALE 2011

BAG_A

BAG_B
Client Interview

ブランディングは
社員のモチベーションも上げる。
崎永海運株式会社
代表取締役社長 北川 栄太さん

失敗できない関係。
映像ディレクター 渋江 修平 監督

やりたいことも、伝えたいことも、
沢山ありすぎて困っていた。
一般社団法人 東彼杵ひとこともの公社
代表 森一峻さん

ママたちの
駆け込み寺がつくりたくて、
勇気を出して起業。
ママエール
代表 ヤスダ カナコさん

存在感を高めるために、
クリエイティブの力を信じて依頼。
長崎大学 ダイバーシティ推進センター
事務 浜野 美由紀さん

お豆腐をもう一度、食卓へ。
2段構えのブランディングで目指す改革。
有限会社尾﨑食品
代表 尾﨑 俊平さん
